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マントを被った集団が、一瞬にして姿を眩ます。
………ノーツクの街周辺の森は、不穏な影が迫っていた。
その事はケイやヒアブ、ノーツクの街の人々は未だ知らない………
一方、門を潜ってノーツクのメインストリートを歩くケイとヒアブ。
ケイが、アっと声を漏らして何かを思い出す。
「関所通る前に、ヒアブを鍵の姿にさせるの忘れた」
ケイの招いた油断が後々、彼等ら自身を苦しめると露知らず、ヒアブは無邪気な笑顔を向けて楽しそうな面持ちだった。
「別にいいじゃん。
ウチ、人間の姿で、この世界の街に来たの初めてなんだからさ。
内定先の工房に着く予定、本当は夜だったじゃん?
えーやん、ちょっと遊びながら散策しよーよ。
ねーねー、洒落たお店探してタピらん?」
「たぶん、この世界にタピオカねーよ」
冷静にツッコミを入れるケイ。
ヒアブとの会話のノリに、少々慣れ始めたようだ。
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