第二話 新たなる世界

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 その後、ヒアブとケイは内定先に本来到着を約束していた夜まで、余った時間を歩き回る。  世界は違えど現実世界と食べ物や文化は一部共通しているようで、昼間はパスタ専門店でなけなしの小遣いを叩き、二人は鉄板ナポリタンに舌鼓を打つ。  「盛り付け、ちょー映えるじゃん。  やばー、めちゃうまーw」  「確かに美味いけど……お前が食べたいって言うから来たけどさ………  ここの店、値段高ぇんだよ……」  財布代わりの白い巾着袋に入った硬貨を数えるケイ。  対してヒアブは幸せそうな面持ちだった。  「人間って、こんな美味しいもの食べてたんだね。  ウチ、軽油しか飲んだ事ないからさ、人間の食べ物ってどんな味するか気になってたんだよね。  人間ってズルない?w」  「急にでかい声でメタい事言うなよ、お前が人間じゃないってバレるだろ」  「もうトラックの姿に戻りたくないw  人間の姿しか勝たんw このパスタ、マジ神w」  「俺の忠告が聞けないなら鍵の姿に戻って貰うぞ」  「………さーせん」  一見すると、二人は恋人同士でデートしているようにも見えなくはない。  しかし、ケイは人間。  ヒアブは機械。  機械が魔法の世界で喋っているのを目の当たりにしているケイは、彼女が人間の姿を手に入れた今、自分が今後どうすべきか頭を悩ませていた。    
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