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その日は仕事終わりまで、ケイはガストンに見張られていた。
仕事で不手際が起こった時のみ口を出していたガストンも今日は口数が減り、ケイはまるで監視されながら仕事をしている感覚だったと後に語る。
就寝前、やっとケイは工房の二階に貰った自室のドアを閉じ、一息つく。
『鍵の姿まじだりぃ。
ケイくん、ロックボタン押してー』
まるで家族がコタツに入って「リモコン取って」のノリで人間の姿に戻りたがるヒアブ。
ベッドに座るケイがキーのロックボタンを押し、目の前に少女の姿へ変わるヒアブが目の前に現れた。
「今日でケイくん就職して三日だね。
ガストンさんにはウチの事相談しないん?」
いつもの軽い口調で話すヒアブが、ケイのいるベッドの隣に座る。
「ここの親方、女子供が苦手なんだ。
ヒアブが居るのバレたら、確実に追い出されるよ」
彼が言ったその刹那……
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