第一話 選択

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 突然の出会い。  声を掛けたのは、彼女の方からだった。  「やあ、初めまして。  よく来たね。寒くなかった?  それにしても、災難だったね」  "寒くなかった?"  "災難だった?"  何故、この人は俺の事故や状況を知っている素振りを見せている?  俺は思わず、彼女に聞き返してしまった。  「俺が事故った事、知ってるのかい?  なまら(凄く)しばれてて(寒くて)、路面がブラックアイスバーンでさ……  トラックが曲がりきれんくて、事故ったんだけど……てかさ、ここどこ?」  疑問を上げればキリがない俺に、彼女は親切に答える。  「知ってるも何も、君の二十五年間の人生を、ずっとここで眺めてきたからね。  ここは、あの世というのか、三途の川でもないし……何か私にも分からない。  本当はここは、君が作った世界の筈だけど、もう覚えていないよね……?  私も気がついたら二十年ここに居て、貴方を待ち続ける事が使命だって事が何年か前に分かって、ずーっと過ごしてきたけど。  しかし、随分と早く来たね。  本来なら、もっと何十年も先に君がくる予定だったけど、まあちょっと休んでって。  お話相手になってよ」  
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