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光汰と風子は食べる事がとても好き。
美味しいもの
可愛いデコレーション
とにかく食べてみたい。
まあるい2人は
あっちできゃぴきゃぴ
こっちできゃぴきゃぴ
楽しく食べてはほくほくしていたのだった。
2人の住む街は川で隔てられている。
鉄橋を渡る列車に乗って会いに行くのが常になっていた。
今も列車に乗るためにいつもの場所に立っている。
「光汰に早く会いたいなぁ」
ふくよかな体型を優しく包むパステルカラーのワンピースが
ウキウキしている風子と一緒にふわふわ揺れている。
『今日の風子はパステルカラーなコットンキャンディだね』
そう言って、焼きたてのパンケーキみたいにふっくらした
光汰の顔がとろけそうに微笑むのが目に浮かぶ。
「光汰の笑顔はきっと、はちみつの味がする」
思わず声が出そうになる口元を
ぷくぷくの両手で押さえて小さく微笑んだ。
と、その時
列車なのか人なのか金切音が辺りを引き裂いた。
それと同時に
腹の底に響く轟に煽られるように上がる土煙が
風子の視界を遮った。
そう、鉄橋が崩落したのだ。
不幸中の幸いで
大惨事にはならなかったものの
2人を運ぶ列車は運行できなくなってしまった。
残された交通手段は観覧用の船だけ。
その船に乗りたい人は増える一方なのに
船自体が不安定・・
その結果、厳しい体重制限の元
乗船する事が義務付けられたのだった・・
そして、お察しの通り
悲しいかな風子の体重では
その船に乗る事はできなかった。
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