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店を出たわたしは、きらめくイルミネーションに彩られた道を歩いていた。 何だってのよっ……。 ブーツの踵をアスファルトに打ちつけるように歩く。 我慢していた涙がつーっと一筋流れて、わたしは手袋をはずしてその雫を指で拭った。ふと去年の今頃のことを思い出す。 手をつなぎ、白い息をはきながら、ここを二人で歩いたっけ。来年には二人で住む場所なんかを探したいね、婚約指輪ならあのブランドがいいな、なんて、彼との幸せな未来を信じて疑わなかった。 それなのに……。 途中、ジェラートのお店を見つけて足を止めた。 寒いけれど、今は自虐的に冷たいものでも食べたい気分だ。店に入ると、あえてトリプルを、コーンでテイクアウトした。
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