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「ちょ、ちょっと、なに」
何この男の子。あの高い所にいた人?どうやって降りて来たっていうの?
わたしは体を後ろに引いて、警戒心丸出しでその男の子を見上げた。
しかし彼は、自分を怪しむ視線など全然気にもせず、わたしの手元をじっと見ている。それから、にこっと笑って言った。
この天使の笑顔は何なの……!
一瞬見惚れてしまったのが失敗だった。
「それ美味しそうだね。一口ちょうだい」
彼はそう言うと、わたしが了承してもいないのにジェラートを奪い取った。嬉しそうに満面の笑みを浮かべて、上から二つ分のジェラートをぱくりと食べてしまった。
「あぁ、せっかく買ったのに!」
「美味しかったぁ。ごちそう様」
満足した顔で彼が返してよこしたジェラートは、トリプルからシングルへと姿を変えてしまっていた。
「ちょっと、君!一体なんなのよ!って、その背中の何なの?仮装パーティーか何かなの?」
「ん~?これは羽だよ。綺麗でしょ」
「うん、すごく綺麗。いや、そうじゃなくてっ」
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