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つまるところ己は意思を持った人形のようなもので、その人形が快感に昇り詰めようがその途中であろうが気にするはずが無い。
ラープサーが呆然と呟いた言葉にアドラーがさすがに羞恥を感じるのか、顔を背けつつ言わせるなと口早に呟き、もう良いだろうとその話を遮ろうとするが、見下ろしてくるラープサーの目にいつもとは違う光が宿っていることに気付いて眉を寄せる。
「……カレル?」
「……本当に……、うん、本当に、ご苦労さんだったね、アマ」
「……・ッ……・!」
その言葉が予想外にアドラーの心を揺らしたようで、意味の分からない心の動きに身体が引きずられたのか、ラープサーの肩を掴んでいた手で目元を覆い隠す。
「殿下が今まで何度か来ていたけれど、その度にずっとそうだった?」
静かな問いに嫉妬は含まれておらず、それ故にどんな思いから問われているかが掴めなかったアドラーは腕で遮った視界の中で頷き、殿下に何度も抱かれているがキスをしたことも無ければ互いの名前を呼び合ったことも無いと苦く笑う。
「あの人が欲しいのは、俺の身体だけだ」
貴賤に関わらずに誰もがこの見た目の為に色目を使い擦り寄ってくるが、あの人も自身を飾り立てるだけのものとしてしか俺を見ていないとも笑うと、目元を覆う腕を優しく掴まれて閉ざした瞼に口付けられる。
「そうか」
「……だから可愛がられていると言われたとき、どうしようも無く腹が立った」
「……」
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