嫉妬

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 優しい性格故の優柔不断さと己の思いをうまく言葉に出来ない為に頼りないと誤解されることのあるラープサーだが、大切なときに伝えなければならない言葉はしっかりと持っていて、またそれを伝えるだけの勇気も持っていた。  それを再認識したアドラーは、身体の奥で受け止めるものがいつもとは違う熱さを持っているように感じて震える吐息を零す。  先程ラープサーに言われたように今夜は随分と身体が敏感になっているようで、いつもならばやり過ごせる些細な刺激も唇を噛み締めなければ堪えられないほどで、それが恥ずかしくて顔を背けるとやんわりとした手つきで戻されてしまい、背後から覗き込むように優しく何度もキスをされて宥められてしまう。  荒い息を聞かれることも恥ずかしいのに我慢するな声を出せとキスの後に指を口に差し入れられ、精一杯の抵抗で声を出す代わりにその指を舐めてやると、最奥を突き上げられて頭を仰け反らせてしまう。  足を抱えられて息をのみ、リズムをつけて突き上げられればシーツをきつく握りついラープサーの名を口にしてしまい、一瞬で快感を忘れたように目を瞠るが、肩越しに頬にキスをされてうんと小さな返事をもらうことで今誰を受け入れているのかを思い出す。
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