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「味はどうかな?」
「とても美味しいですよ。さすが教授ですね」
教授は目を細めながら、僕を見つめている。
今、そこにいるのは、イカれた本物の悪魔だ。
僕は、この教授以上にイカれてみせる。
少しでも隙を見せたら、食うか、食われるかの世界だ。
今度こそ、僕は自分の足で自分の人生を歩んでいく。
その行く先は、誰にも決めさせない。
教授にも……。
大きなテーブルには、僕と教授の二人きり。
真っ白なテーブルクロス。
その上に並べられた豪華な料理達。
これは僕の新たな門出を祝う、至高の晩餐だ。
[完]
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