プラン

24/29
前へ
/191ページ
次へ
 次に口にしたのは【ソルサ】。  スペイン料理だ。  肩から背中にかけたロース肉が、サイコロ状にカットされている。  それにオレガノとすり潰したニンニク、パプリカパウダーを混ぜ込んで、オリーブオイルでこんがりと焼いたものだ。  スパイシーさがやみつきで、付け合わせのフライドポテトと交互に食べると、いくらでも口に入っていく。  次は【カジョス】。  スペインのモツ煮込みだ。  教授が丁寧に下ごしらえした、さまざまなモツが入っている。  シロ、ガツ、テッポウ、ハツ、コブクロ。  それにモルシージャと呼ばれる、血の入ったブラッドソーセージ。  ほかに入っているのは、玉ねぎ、ひよこ豆。  クミン、パプリカパウダー、コショウ、カイエンヌペッパーなどのミックススパイスを入れて煮込まれている。  食べている途中で、ゴリッと何かが歯に当たった。  軟骨、だろうか?  何度も噛み砕こうとしたが、噛み砕けない。  口から出したものを指でつまんだ。  ソレを見つめながら、口の中に残っているものをゆっくりと飲み込む。  骨の一部のようだった。  カジョスを作ったのは、教授だ。  間違えて骨の欠片が入ってしまったのだろうか?  いや、違う。  教授に限って、間違えるわけがない。  それに、これは……欠片なんかじゃない。  この料理に使われていた部位は……。 「そうだ。一つ、言い忘れていたよ」  僕は指でつまんだものから、教授に目をやった。 「それは、美波君から君へのサプライズだ」
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加