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『やあ。キミちゃん久しぶり』
おばあちゃんは、ある鉢植えの前に私を下ろすと鉢植えの食物が私に話し掛けてきた。
「あ!!!」
その鉢植えにそびえ立っていたのは、おばあちゃんが私の為に育てたアロエだった。
「まだ……生きていたんだ……」
私は久しぶりにアロエに会い再び泣き出した。
「なんも心配いらんがね。このアロエが貴美ちゃんの怪我を治してくれるばい!!」
おばあちゃんはアロエに、チョイとあんたの葉をもらだよ?と言いながらアロエの葉をもぎ取ると、火傷した私の治療をしだした。
「これで安心だべ。それじゃ元気でな?」
そう言うと、おばあちゃんはアロエを抱きしめ幸せそうに永遠の眠りについた。
おばあちゃん。
あの頃の元気な姿の、おばあちゃんに会いたかった。
会えて嬉しかったよ。
天国で、おじいちゃんと仲良くして暮らしてね?
私を見守ってね?
ありがとう。
おばあちゃん。
抱きしめられたアロエは言葉を出さず、おばあちゃんを優しく包み込むように葉を寄せていた。
【了】
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