君の涙で気づく

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あれから、一輝と立花が二人でいる所をよく目にするようになった。 立花の頭をぽんぽんと撫でたり、二人で帰る時は車道側を歩かせないようにする。 立花が運ぶ重そうな荷物を持ってあげたりと一輝に嬉しそうにはにかみ笑いかける姿は恋する乙女って言葉がぴったりだ。 しかし、それは他の女の子にもしているし一輝の通常運転だ。 まぁ、かっこいい男にあんな対応されれば誰でも好きになってしまうと思う。 あれだけモテるのに彼女や好きな奴がいる話を聞いた事がない。 久しぶりに学校終わりに一輝と帰ることになった。 たわいのない会話の後にさらっと聞いてみた。 「一輝は、立花のこと好きなの?」 答えは何となく分かっていたが、気になり聞いてみたくなった。 「えっ?うーん、友達として好きだよ」 「だと思った」 「急に何で?」 一輝が不思議そうな顔をして首を傾ける。 「みんなに優しくするのはいいけど、それで傷つく奴も居るんじゃないか?刺されたら困るだろ」 少し驚いた顔で一輝が俺を見る。 「珍しい。旭がそんなこと言うの、いつも我関せずって感じなのに」 「俺って、そんな感じなの?」 「そうだね。あんまり他人に興味ないよね」 即答されてへこむ。 確かに自分はあまり他人に興味がない事は分かっているが、一輝と立花を見ていたら何だか最近もやもやしたものを感じる。 一輝がふふっと笑った。 「何だよ」 「何でもない。刺されないように気をつけるよ。ありがとう」
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