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「佐竹くんって笑うとイメージ変わるね」
あれから立花とちょくちょく話をするようになった。
一輝のことはまだ好きなのと言って笑っていた。
一輝のことを好きなままでも、いつか俺を見てほしい。
気持ちに気づいてしまうと急に貪欲になる自分に戸惑ってしまうが、今はゆっくり待つしかないと自分に言い聞かせる。
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後日、帰りのホームルームが終わってからあの日の出来事は伏せて、立花を好きだと気づいた事を一輝に話した。
「僕は分かってたけど?旭って自分のことになると鈍感だよねえ」呆れた顔で言われた。
「最近、立花さんとよく話してるみたいだし頑張りなよ。旭」
一輝が笑い俺は「おお」と頷いた。
一輝は気づいてるんだろうか?立花の好きなやつが誰なのか。
「僕も頑張ろうかな」と一輝がつぶやく。
「え?一輝って好きな奴いたの!?」今までそんな話を聞いたことがなかったから驚いた。
「僕の気持ちに全然、気づいてくれないんだよね。その人」とにっこり笑う。
「一輝から好かれるってその子、大変そうだな色々。へえ、そんな気づかない奴が居るんだな」
「いるんだよねえ。ほんと鈍感な人が」そう言って一輝がまた笑う。
「誰だろう。誰?」
「内緒!帰ろうよ旭!!」
そう言ってはぐらかされ、一輝にグイグイと腕を引っ張られて教室をあとにした。
おしまい
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