第3話 追跡

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ぼくとチリは、同時に叫んだ。 あまりに声がピッタリ合ったから、ぼくたちは、お互いの顔を見て笑った。 ぼくが手伝おうと思った理由は、責任を感じたからだ。 ぼくが石敢當を倒さなかったら、こんなことにはならなかった。 サクヤヒメさまは、ぼくのせいじゃないと言ってくれたけれど、でもやっぱり、石敢當を倒したことを償いたかった。 チリの理由は好奇心とか冒険心なのかな?  少しの間、初めて見るチリの輝くような笑顔から目が離せなかった。 「ありがとう。それでは動き出す前に、皆さんのお名前を教えてもらえますか?」 チルヒメさまが聞いてきた。 「あたしは、サキです」 「オレは、ハル!」 サキとハルがすぐに答え、ぼくとチリが後に続いた。 「では、道に出てさがそう。だが我らを見たら、ニニギノケガレは警戒するだろう。だから、お前たち二人の体に、入らせてもらえまいか?」 「えっ、あたしたちの?」 サクヤヒメさまの言葉に、サキとチリはお互いに顔を見合わせた。 「大丈夫ですよ。ちょっと心の片隅にお邪魔するだけ。目に映るものは、共有させてもらいますけれど、あなたたちの体を乗っ取るわけではありません」 チルヒメさまがそう言うと、 「分かりました。どうぞ」 サキがそう答え、チリはコクンとうなずいた。
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