第十三章 由梨の中に存在する健吾

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一真は組員に撤退する様に指示をした。 そして、山本に健吾の始末を自分がやりますといい、車で健吾を自分のマンションへ運んだ。 一真はどうしても由梨の言動が気になって仕方なかった。 そして、山本について行くことに、納得がいかず、健吾を助けたのだ。 「姐さんは不思議な人ですね」 「めっちゃ可愛いだろう、でも惚れるなよ」 「そ、そんなことしません」 健吾は由梨の病気を語り始めた。 「由梨は間違いなく俺の妻だ、婚姻届も提出済みだ、しかし、病気を患ってる」 一真は驚きの表情を見せた。 「若年性アルツハイマー型認知症だ」 「そんな……」 「ありがたいことに、まだ、俺の名前は記憶から消えていないようだ」 「だから、あの裕也って男のことはわからなかったんですね」 「俺の妻だと言う記憶も消えている」 一真は由梨の言葉を思い返していた。 ……「あなたは西園寺組の姐さんですよね」 「健吾さんの奥様はちゃんといますよ」……
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