未来予知

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未来予知

最終日の夜。 私は明日から自分の部屋に戻るけど、同じマンションに住んでいるのだしこれからも会える。 そうやって自分を励ました。 今度の休日にでも結城さんを食事に誘ってみようかな・・。 そんなことを考えていると結城さんが真剣な顔をして私を見つめていた。 いつも穏やかな結城さんだけど、真剣さのなかに悲しさが混ざった表情だった。 おとといの涙のこともあるし、辛いことでもあったのだろうか。 「僕の祖母は未来のことを予知することができたんです」 「占いとかですか?」 「僕が小さい頃から何でも祖母が言うことは当たっていたのですが、家族はただの偶然だと信じませんでした。でも僕は子供だったこともあるし祖母の力を信じました。」 「おばあさんは今もお元気なんですか?」 「僕が小学生の時に他界しました。自分の命日を予知して・・」
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