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「はい・・、実はこの近くの病院に入院している小さい男の子がいるんですが、家が近くて知り合いなんです。お見舞いに来たんですけど何か欲しいものあるかって聞いたら虹が見たいって言われたんですけど、俺は魔法使いでもないし、雨が降ったとしても虹が絶対に見られる保証もないし・・」
少年が事情を話す。
「君の名前はなんて言うの?」
「俺は大和です。えっと・・、あなたは・・?」
「私はシェイド。魔法使いだよ」
「・・ん?」
「さて大和。私が魔法使いだと信じてもらえるように君の落とし物を見つけてみせるよ」
先ほど出会った可愛らしい少女の衝撃的な自己紹介の謎を解くために大和は落とし物を探してもらうことにした。
「シェイドさんだったっけ・・?」
「シェイドでいいよ」
「どうやって見つけるんですか?」
シェイドが大きな本を取りだした。
「私は生徒会長だから落とし物はよくある相談なんだ。この本は私が魔法で作ったんだ。ここに名前を書いてくれれば落とし物の場所がわかるのさ」
「ここですか?」
大和が本のページに名前を書く。
「ありがとう。おっ、見えてきたよ・・!しかし、なんだろうこれは・・?本のようではあるのだが、水着を着た女性が表紙のようだね・・?合ってるかい?」
シェイドが大和を見ると大和はとてと恥ずかしそうにしていた。
「どうしたんだい・・?」
「いや・・、あの・・、その・・、たしかに合ってます・・。だけどそれは・・、見つけなくて大丈夫です・・」
「どうして・・?探しているんじゃないの・・?」
「女性に見られると恥ずかしいので・・」
魔法使いのシェイドにはよくわからない話だった。
「人に見られると恥ずかしい物なんだね・・」
「男子は仕方ないんです・・。女性が見ると呪われてしまうかもしれないから、シェイドは知らない方がいいと思うな・・!」
なんとかシェイドを誤魔化すために頑張る大和。
「呪いの本だって・・!?なんだいそれは!!人間の世界にも魔法道具があるのかい?!」
しまったと自分の言葉に後悔する大和だった。
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