雲雀の鳴くころ

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 **********  「酷いヒト。最期まで姉さんの名前を呼ぶなんて 」  窓を開けると、土砂降りの雨の音とともに部屋の中に冷たい空気が入ってくる。  「姉さんや父は、この一族に新しい血が欲しかっただけよ。本当にあなたを愛していたのは私だけだというのに。」  あなたが欲しくて、この手を汚したというのに。  男のは、が崖から落ちていく姿を思い出しながら、数十年経っても忘れる事の出来ない感触の残る、皺だらけの両手で顔を覆った。      外では雲雀が鳴いていた。  妹は、(コトハ)が勝ち誇った様に、あの美しい顔で微笑んでいる気がした。                     《ヲワリ》  2023.11.25 執筆  2023.12.17 公開  
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