勝負に勝つのは私

買い物

「違うのよ。あったらあっただけ、お菓子って早く消費するのよ」
「まあまあ」

　その言葉にあやふやにされてしまった現実。結局旦那が満足してるだけでしょ。モヤるわ……。

「店にいたらいただけ、カゴに入れられそうな気がするわ。もうレジに並んでいい？」
「うん、いいよ」

　やっとレジに並べた私は溜め息を一つついた。そして旦那は当たり前のように先に車へと戻る。
　いつも思う。よその旦那さんは買い物袋に入れている間、子供を抱っこしてくれてたり、一緒に荷物持ってくれたり……。そういうのが皆無な我が家。もうそんなことで言い合いする元気もないので、特に何も言わない。正直なところ、こんな些細なことで揉めていたら、我が家は毎日バトルだよ。そんなことに精神削られたくはない。これは我慢ではない。諦めの境地。
　荷物を車まで運ぶと旦那が助手席の後ろでゲームしている。あ、運転手は私ね。察しました。

「もう、あんたと買い物に来たら、ポンポンカゴに入れるから、金額がいつもと全然違うわ」

　文句を言いながら運転席に座った。「そう？」と他人事のように呟いて、ゲームを続けている旦那。

　うん、やっぱり買い物は一人で行きたい。