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晩ご飯
白菜や大根などの野菜の他に、鍋には豆腐が二丁分入っている。旦那が楽しみにしていた湯豆腐だ。さあ、思う存分堪能したまえ。
「寒い日に湯豆腐、最高だな」
湯気の向こうで満面の笑みが浮かび、豆腐すくいでとんすいへ移していた。そして、ここで登場おろしポン酢。
「あれ、大根あったんじゃん」
鍋の中に大根を発見した旦那が、私にたてついてくる。
「うん。だから何。今からあんたが大根おろしてくれてもいいけど」
「あ、大丈夫でーす」
おろせばいいだけとか言ってたくせに、結局おろしポン酢使うんでしょ。こっちで正解！
「翔太、今日の豆腐は高いやつだからおいしいぞ」
と、子供のとんすいにも湯豆腐を入れてあげていた。そして、おろしポン酢たっぷり付けて、旦那はハフハフしながらおいしそうに一口食べた。
「ん〜！ 舌触りもなめらかで、大豆の風味がしっかり感じられる！ おろしポン酢も最高だ！ 翔太、どうだ？ おいしいだろ」
「おいしいけど、いつものと何が違うの？」
「お父さん、子供の舌じゃ豆腐の良し悪しは分からないわよ」
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