デスゲーム裁判

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二「こんなクソゲー潰れちまえ!」 デスゲームに強制参加させられた俺は、支給された日本刀を背に、背後から全速力で追跡してくるクラスメイトから必死に逃げ回る事で精一杯だった。 俺は「殺し合え」といわれて殺し合って勝てる自信がない。正直にいうとスポーツも苦手で勉強もあまり出来るほうでもない。だから一番最初にデスゲームで殺害されるタイプの人間だ。そんな俺が日本刀という代物をデスゲームで支給されたのが男子どもからするとネコに小判だったようで、俺を殺して、日本刀を奪おうと追いかけて来ている。俺には日本刀なんてアイテムは使いこなせないのわかってやがる。 しかし、成績優秀、筋肉隆々、容姿端麗、美男子とクラスにたいてい一人はいる優等生の羽山という男には、このデスゲームはヌルゲーだったようだ。俺の日本刀を奪おうとしたクラスメイトの左江内に簡単に手をかけてしまう。 左江内はナイフで背後から刺され、口から血を吹き出しながら、俺に助けを求めた。 「関口、た、助けて、くれ、頼む」 助けるたって無理だ。いくら日本刀持ってるからといって俺が羽山に勝てるわけがないだろう。でも俺はこいつを助けず見捨てて逃げてしまうことになるが人としてそれはどうなんだ。俺がどうこうしてこいつは本当に助かるのか、助けても殺し合いの場にいる以上俺を殺しに来る可能性だってある。てこれ保身じゃないか。とはいえ悩んでる時間はないんだ。俺はやむを得ず左江内を見ないようにして再び全速力で逃げ出した。許してくれ最低なクラスメイトですまない。左江内氏との楽しかった学園生活がまざまざと、俺の脳裏を駆け巡る。体育祭、文化祭、修学旅行に恋バナなどこんなクソゲーに参加させられなきゃまだ楽しくやれたのに。 「ごめん、ごめん、ごめん、ごめんな左江内。俺には殺しは出来ないんだっ!」 「関口、その日本刀、使わないなら俺にくれよ。もったいないだろ」 「お前には絶対、渡さない。俺はお前を許さない。覚えてろ羽山っ!」
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