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四・デスゲームが開始されて何日、何時間が経過したのかわからない。俺は島で誰もいない廃屋に身を窶す事にした。一緒に逃げた友崎雅史、妹尾あさみも同じところで隠れた。
羽山が何時、襲いかかって来るかわからない恐怖は拭えない。島の面積は知れている。数日しらみ潰しに俺たちを探せばすぐに見つかってしまうだろう。そう思うと強くて廃屋から外に出られなかったんだ。案の定、羽山の奴は俺たちの隠れ場所を察知してやって来やがった。
「関口、友崎、妹尾さんみいつけた。俺と殺し合わないか?」
「クソ、見つかった。関口、妹尾、二人は先にいけっ!ここは俺が」
「やめろ、お前にまで死なれたら俺は…」
戦って殺されるよりも最後まで逃げ切った方が得策だと、俺は友崎を説得するが、友崎はいう事を聞かない。俺は友崎まで失いたくない。殺されるのを見捨てて逃げる事まではしたくなかった。それなのに友崎は羽山の方に歩いていってしまう。
「デスゲームはもう、こんなクソゲー、終わりにさせよう」
「待て、お前まで死ぬな。俺たちだけでも一緒に逃げよう」
「そうしたいけど、やっぱ無理だよ。俺が動いたら走って逃げろ、いいな」
「いい訳ないだろうっ!」
「関口、妹尾の事、守ってやれよ」
友崎は羽山と格闘を始めた。しかし、羽山との戦力差は言うまでもなく友崎は一方的にやられてばかりだ。ダメ元でも助けてやりたかったか。勝てなくても言いから一発羽山をぶん殴ってやりたかったが、それだと折角、自らを犠牲にして俺たちを活かしてくれた友崎の意志をないがしろにしてしまう。それでも最優先すべきはどう思われたっていい人命だ。友崎を助けてやらなければ!そうしたら戦えない妹尾はどうなる?すぐに羽山に殺されてしまうんじゃないだろうか。そう思うと俺は妹尾の手を引っ張り廃屋を後にした。
俺はどこまで友人を見捨てて逃げればいいんだ。だめな友人で済まない! クズな友人で済まないっ! 頼りにならない友人で済まないっ! 俺の事恨んでくれていいっ! 恨まれて当然の裏切り者だっ! 俺は……
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