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八「まさか君と最後に戦う事になるとは予想外だよ、関口くん」
羽山はナイフを構え、ゆっくりと近付いて来る。俺はここまで来て殺されてしまうのか? 一瞬死を覚悟したが、左江内、友崎、妹尾これまでこいつに殺されて来たクラスメイトたちがそれでは浮かばれない。俺は、これまで使わなかった日本刀に初めて手をかけた。仇討ちの為でもあるが、俺自身が生きる為だ。
「羽山、お前は許さない」
「刀、抜かないの? ユニークだね。それで俺に勝つつもりかい? ならやってみろよ」
勢いよく一直線に走って来る。早いっ! 交わせない。俺には構えた日本刀を無我夢中で振り回す事しか出来ない。なり振り構っていられる余裕なんてない。
「こっちに来るな来るな来るな来るなっ!」
「雑な攻撃だ。そんなんじゃ、俺は殺せないんだぜ。おらっ!」
羽山のナイフが俺の胸に突き刺さり、急に血の気が頭から引いた。
「こんなんで負けてたまるかあっ!」
俺は最後の力を振り絞り、思い切り日本刀を鞘ごと振り回した。羽山はもう動かなくなっていた。俺も胸からの出血が激しく、意識がなくなって来た。デスゲームのラストは、ラスボスと相打ちかよ。情けないな俺。
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