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11 キ、キ、キス!?
sideシェリエ
キ、キ、キス…!?!?!!
キスってつまり、唇と唇を重ね合わせて…すればいいのよね!?
私にはこれまでキスさえも経験がなく、演劇場でキスシーンを見るくらいのキスか、手の甲にキスされダンスに誘われるかのキスしか知らなかった。
い、いやだわ!
べ、べ、別に見栄なんて張ってませんからね!
関係無いわよ!
私がキスもした事無いって知ったら…
なぁんて、思わなくってよ!!!
でも、でも、でも、キスにも色々あるじゃ無い?
多分!
軽いものから、中くらいのもの、重いものまで…
ロロドロア様はどのキスを…
って、キャーーーーー!
何考えてるの!?
私ったらはしたないですわ!!!
キ、キ、キスなんて、しなくても生きていけるわ!
そ、そうよ。
へ、平気よ。
でも、いつかキスする時…
経験が無いじゃ、困るわよね…?
だったら、練習のつもりでロロドロア様と…
そんな事を言ったら…
ロロド様は…
怒るかしら…?
そんな事を悶々と考えながら、眠りについた。
嘘だ。
あまり眠れなかった。
♦︎
翌朝。
ふぁぁあ…
大あくびをしている所に旦那様と出くわした。
「でかいあくび…
元ご令嬢がねぇ…」
意地悪く言うロロドロア様を無視する。
ふんっ!
誰のせいよっ!
あなたのあの台詞のせいでね!
こっちは寝不足なのよっ!
私はトーストとバター、ハチミツの用意をする。
「朝から、無愛想なのやめてくれないか。」
「夜にあんな事言うのやめてくださいます?」
「はぁ…?
あんな事…?
何のことだ?」
ロロドロア様は超鈍い。
「な、な、何でもありませんわ!」
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