ぐっばい、Prologue

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 プロローグは、いつか必ず終わりを迎える。  小説であれば、第一話の前に差し込まれて終わり。  プロローグが終われば、物語が本格的に動きだす。    では、人生のプロローグとはいつなのだろう。  赤ちゃんの頃か。  未成年の頃か。  成人しても続くことはあるのだろうか。    少なくとも、ぼくの物語は未だに動いていない。    町を歩けば、夜だと言うのに光が常に輝いていて、町を歩く人々の表情も負けず劣らず輝いていた。   「ねえパパー! お腹すいたー!」   「よーし、じゃあハンバーグでも食べに行くか」   「ハンバーグ! やったー!」    すれ違った三人家族の両親は、ぼくと同い年くらいに見えた。  彼らの人生は、とっくにプロローグを終えているのだろう。  人生を小説とするなら、盛り上がっている中盤か、それとも学生編・独身編を終えた第三部だろうか。  いずれにせよ、ぼくには到底理解ができない世界の話だ。
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