昔の話を語っていたら

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 面白いものを見れた私は満足して定時に上がり、まっすぐに一人暮らし先のマンションに向かう。  郵便受けを覗いてみると私宛の手紙が来ていた。  誰から来たのかと封筒を調べると、同じ高校で同じクラスの委員長からだった。あて先は実家あてだったが、私のマンションに母か父が転送してくれたのだろう。  ちなみにこの委員長もラブコメのヒロインの一人で、見た目は地味だけど体は胸が大きくてスタイルが良いという女の子。化粧をしてメガネからコンタクトレンズにすればグラビアアイドルになれるのではと思うほどだ。  委員長はドジっ子なのでよく加藤旭に豊満なボディをうっかり当てていた。  彼を取り合う戦士からはわざとなのではと噂されていたが、実際のところはどうなんだろうなあ。 「同窓会か……」  同窓会は二十歳の時に一回目、私が海外にいる間に二回目開催されていた。  しかし、二十歳の時は大学生でサークル活動が忙しかったから面倒なのでパス、二回目は海外で仕事に忙しかったことから不参加だった。  誰がどんな風になっているのか気になっていたので参加しようかなと思ったが、やっぱりやめようかと悩んでいた。  というのは3年生の時に起きた出来事が原因。夏休みの前にメンヘラな女の子が加藤旭を刺したから。  それが原因で人気者だった彼はあらゆる女の子の心をもてあそんだ最低な奴と転落し、同じく彼に群がっていた女の子たちは彼から翻弄された哀れな子というレッテルを貼られたのだ。  幸い私はとっくに恋愛戦争から逃げいていたから周りから哀れみの視線を受けることはなかったのだが、なんとなく後味の悪さを感じていたこともあって早くここから遠いところに行きたいと思っていた。 「どうしようか……」 と悩んでいるとスマホにチャットアプリから新着メッセージの通知が入る。  スマホを起動すると今でも定期的に連絡を取り合っている高校時代の友人からだった。  彼女も同窓会に行こうかどうかと悩んでいるらしい。  何回かメッセージのやり取りをしていると今から飲みに行こうと誘われたのでそのまま居酒屋へと足を運ぶことにした。
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