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シンデレラは家事を終わらせると、下町へ出かけた。明日乗る馬車の手配を普段から仲良くしている下町のおっちゃんに頼むためだ。
ーーカモフラージュに野菜とお肉も買ったし、あとは帰るだけね。
下町から出るとシンデレラはすぐさま薄幸少女のフリをする。おずおずとドアを開けると。
「シンデレラ!あなたこれは何?!」
「分不相応にも程があるわっ!!」
「そうよそうよっ」
ーーやばっ。
隠していたドレスが見つかった。
「あの、それはーー」
「こんなのあなたには必要ないわっ」
そう言って義母は水色のドレスを真っ二つに引き裂いた。
「あなたに舞踏会へ行く資格なんてないわよ」
「そうよそうよっ」
呆然とするシンデレラに満足したのか、義母たちは夕食は外で食べると言って家を出た。
「……これくらいで諦めるもんですか」
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