四方山話『オタク』

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四方山話『オタク』

 魔術を諦めきれない涼花はオタカルに魔術に対する講義を願い出たのがだ、その熱弁に冷ややかな目で呟いた。 「これだからオタクは……」 「オタクって……どんな意味の言葉ですか?」  ため息をつき愚痴る良貨にオタカルは尋ねた。 「アンタみたいな奴の事よ」 「え~と、何かに対して好きが強すぎる人の事ですよ!」  カワサキがオブラートで包み説明するとオタカルはポンと手を叩いて納得し、以外にも否定の言葉を口にした。 「なるほど……確かに俺は魔術が好きですが、これは貴族、魔術師としての義務でもありますし、もっと好きなものがありますよ」  その言葉に涼花とカワサキは意外そうな顔をした。 「なにそれは?」 「テレジアさんです。つまりテレジアオタクです」  嘘偽りの無い満面の笑みにカワサキは目をキラキラさせ喜び、涼花は砂を吐きそうな表情で顔をヒクヒクと痙攣させた。 「そ、それなら僕はセンパイオタクですね」 「それは素晴らしい友愛ですね!」  互い愛するものを持つ二人は認め合い涼花は呟いた。 「『無知』と『優しさ』が化学反応を起して『気持ち悪い』を発生させたわ。誰か助けて」
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