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「ありがとうございました」
私は常磐さんにお礼を言って、勧められるままに温泉施設がある階に向かった。
本格的な施設にも引けを取らない造りに驚きながらも、露天風呂に浸かり、空を見上げると、久しぶりに心身ともにリラックスしていることに気づいた。
思わず、感謝が溢れる。
しばらくはお風呂を堪能し、着替えを済ませて出てきたら、そこは広々としたガラス張りの見学席で、下のプールを見渡せるようになっていた。
「常磐さん……」
未来の競泳選手を目指してレッスンを受けている子ども達が見え、そこには、さっきまでとは違う真剣な表情の常磐さんがいた。思わずドキッとする気持ちを抑え、子ども達に指導する姿を食い入るように目で追った。
「見て見て! 理仁様がいるわよ」
「うわぁ、今日も素敵だわぁ。あの体に触れてみたい」
「ダメダメ、理仁様の体はお触り禁止よ。あの肉体はみんなのものだから」
「ねえねえ、さっき、理仁様に指導してもらってた会員の女見た? 体に触れられてたのよ~。2年通ってる私でさえ触れられたことないのに。悔しい」
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