消したい過去

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消したい過去

次の日の夜、私は「灯り」のいつもの席で食事をした。 ファミリーレストランのシフトによって、まかないを食べたり、おばさんのご飯を食べたりしてるけど、やっぱりここより落ち着ける場所はどこにもない。 今日は雨のせいか、いつもよりお客さんも少なく、手が空いた朱里が隣に座って私の話を聞いてくれた。 「今日の『ブリ大根』も美味しかった。ママさんの愛情を感じたよ」 「それなら良かった。ブリは冬が旬の食材だから、これからどんどん美味しくなるよ。脂がのってる冬のブリは、照り焼きにしても美味しいし、塩焼きにして柚子なんかを搾るとさらに爽やかで美味しくなるしね」 「それいいね。塩焼きも食べてみたい」 「了解、楽しみにしてて。あっ、ねえ、今日は何か話があったんじゃないの?」 「うん、あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」 「どうしたの? そんな真剣な顔して」
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