御曹司との出会いは突然に

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「あ、あの、あなたは……」 「そうだな、まずは名乗るべきだな。俺は、常磐 理仁(ときわ りひと)」 「常磐……さん?」 「ああ、父が『灯り』の大ファンなんだ。今日は父に勧められて初めてきた」 「そうだったんですか」 「で、さっきの話。男性が、何か以前あったことについて話してただろ? 結婚詐欺とか何とか」 さっきからずっと敬語も使わずタメ口とは。 本当に一体何なの? でも、そう思いつつ、この見た目のインパクトのせいで何も文句を言えない自分がいた。 「あ……ああ、はい」 「余計なことかも知れないけど、でも、君がとても悲しそうな顔をしてたから。何か君の力になれることはないか?」 まさか、そんな言葉が飛び出すなんて―― あまりに予想外なことが起こって動揺し、挙動不審なくらい目が泳いでしまってるのがわかった。 「そ、そんな……み、見ず知らずの人に助けていただくことではないので……」
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