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 涼介を見ると夢のことを思い出してしまって、やっぱり顔をまともに見ることができなかった。涼介は普通にしてくれるのに俺がそんなんだから、喧嘩したのか? とクラスメイトに心配された。ただ俺が一方的に気まずくなっているだけ。  帰りもいつも通り、一緒に帰ろう、と誘ってくれて並んで歩く。本当に申し訳なくなる。何でこんな顔も性格もいい奴が俺のこと好きなんだろ?  「なぁ、帰り家でゲームしねーか?」  今日は酷い態度しか取ってないのに、遊びにも誘ってくれる。 「ごめん、今日は無理」 「何で? まだ夢のこと気にしてんの?」  気にしてないと言えば嘘になるけど、今日は翼と約束してるから。 「違うよ。今日は大輔くんが家に来るから」 「あ? 今、何て言った?」  聞こえなかったのかな? 涼介に視線を向けると、俺を睨みつけていた。背が高いからそれだけで圧がすごい。何で怒ってるんだろ? 声が小さかったからかな? 「今日は大輔くんが来るから遊べない」 「俺も透の家行く。俺がお前のこと好きなの知ってて他の男家に呼ぶって事は、お前と親しい奴なんだろ? 翼が1番のライバルだと思ってたけど、お前そいつのこと好きなのか?」  ん? 何で俺が大輔くんのこと好きみたいになってんの? 翼の彼氏なのに。  ……涼介は翼の彼氏の名前知らないんだ! 誤解とかなきゃ! 「あのね、ちが」 「やっぱり直接聞きたくねー! 今から絶対にしゃべるなよ。透みたいな弟優先して時間守らねーし連絡よこさない奴なんて、俺ぐらいしか付き合える奴いないって宣言してやる」  本当にごめん。いつも待たせて。でも、やっぱり誤解とかないと。 「待って、涼介。だいす」 「しゃべるな。他の男の名前を口にするな。返事は首を縦に振ることしか許さない」  何を言っても無駄だと思い、口を継ぐんで頷いた。家に着いたら分かるのだから。  腕を引かれて早足で家に向かう。涼介の足の長さで早歩きなんてされたら、ついていくので精一杯。いつも俺に合わせて歩いていてくれたんだな、と知る。
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