反ツァラトストラかく語りき

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 「私は人類に私の貯えた知恵の贈り物をしたい」とツァラトゥストラは言った。  知恵が豊かに満たされたと自負していたからそう言ったのだ。  でも、知恵の正体は永劫回帰だった。  それがどうして豊かに実った知恵なのか?そんなものを贈り届けられた人類は迷惑するだけだし、ツァラトゥストラ」本人もそれが空しいと解っているはずだ。何故なら永劫回帰は恐ろしいだけで何も喜ばしいことがないからだ。  本当の知恵とは人を喜ばせる知恵だ。  永劫回帰下ではなく、信心深い考えの下で人を喜ばせる知恵だ。例えばマンドリンが合理的にできているということなどだ。  本当に知恵を貯えているのは私だ。
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