四話 もうひとりの淑女

1/5

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ

四話 もうひとりの淑女

 セクスティリア・カエソニアより、セクスティリア・シラナへ文をしたためます    お手紙ありがとう。  あのこの体調が思わしくないとのこと。  貴女が気に病まなくていいの。あのこはもうずいぶんと生きたから、きっと寿命なのだと思います。  私が子供の頃から一緒だった子だから、できればこちらに連れてきてあげたかった。  だけどカエソニウス様は猫がお好きではなかったから、貴女に無理をお願いしてしまいました。  もし食欲があるようなら、湯掻いた鶏肉をすり潰して与えてください。  暑さは苦手だから、涼しいところに寝かせてあげて。  そしてもし、あのこが天に召されたとしても、貴女は何も悪くないわ。    心優しき妹セクスティリア・シラナへ、セクスティリアより
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加