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四話 もうひとりの淑女
セクスティリア・カエソニアより、セクスティリア・シラナへ文をしたためます
お手紙ありがとう。
あのこの体調が思わしくないとのこと。
貴女が気に病まなくていいの。あのこはもうずいぶんと生きたから、きっと寿命なのだと思います。
私が子供の頃から一緒だった子だから、できればこちらに連れてきてあげたかった。
だけどカエソニウス様は猫がお好きではなかったから、貴女に無理をお願いしてしまいました。
もし食欲があるようなら、湯掻いた鶏肉をすり潰して与えてください。
暑さは苦手だから、涼しいところに寝かせてあげて。
そしてもし、あのこが天に召されたとしても、貴女は何も悪くないわ。
心優しき妹セクスティリア・シラナへ、セクスティリアより
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