二話 籠の鳥

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二話 籠の鳥

 セクスティリア・カエソニアより、セクスティリア・シラナへ文をしたためます    お手紙ありがとう。  心待ちにしていたから、とても嬉しかったわ。  こちらの家には良くしていただいて、たいへん有難く思っています。  だけど貴女のことが心配でなりません。  急に学び舎に行けと言われた時の心情を思うと、なおさら。  貴女に淑女たる行いができないだなんて、私はこれっぽっちも思っていないのよ?  だって貴女は私の自慢の妹。  貴女に姉と呼んでもらえることが、私をどれだけ勇気づけてくれていることでしょう。  私以上に淑女であることを求められる貴女だから、無理をしていないか心配です。  離れてしまってごめんなさい。  でもいつも、貴女のことを考えているわ。  私の大好きな妹。どうか貴女が健やかでありますように。    自慢の淑女、愛する妹セクスティリア・シラナへ、セクスティリアより  
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