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そして、俺が高2のときに陽向は俺の高校にきた。
「皆さん、はじめまして。神宮寺陽向と言います。よろしくおねがいします。」
と陽向は礼儀正しく言う。そして先生は
「じゃあ、陽向君は歌苗さんの隣の椅子に座ってくれ。」
と言い、陽向は座りに行く。
「あ、あの。はじめまして。私歌苗って言います。何かわからないことがあったら聞いてくださいね。」
歌苗はそういった。俺は、陽向が自分のことを覚えているのかを聞きたかった。でも、もし俺のことを知らなかったらと思うと怖いので聴くのをやめた。また、高校では新しい友だちもできたので陽向に関わることはもうないと思った。
そして、1時間目が終わり次の授業は理科で科学室への移動だった。俺は眠くなったので机に顔を伏せて眠る。すると話声が聞こえてきた。
「歌苗さん。あの子は起こさなくて良いんですか?」
と陽向は聞いていたが、陽向の周りを囲んでいた女たちが皆口を揃えて言った。
「あいつはほっときな。ここらへんじゃ有名なヤンキー集団の総長らしいよ。」
陽向は黙ってから
「先に行っててくれない?俺ちょっとお腹痛いからトイレ行ってくる。」
と言った。そして、俺は寝ようとしていた時教室の扉が静かに開く。だが、俺は無視をしていたすると、
「ねぇ。どうして俺に話しかけてくれないの?」
と耳元で小声で言われた。俺は驚き体がビクつく。例え陽向が俺のことを覚えてたとしても、もう関わりたくはなかった。陽向にはもっと違う生き方をしてほしかったからだ。だが、陽向は無視する俺をお構いなしに俺の耳に触る。
「梓って昔から耳弱かったよね。この弱々な耳噛んだらどんな反応するかな。」
とまた耳元で言う。でも、さすがに学校なのでしないと思い無視していると急に生暖かいぬるりとしたものが耳の穴に入ってくる。俺は、出したくもない声が出てしまう。
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