鳥と使用人

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 お城の使用人たちの声を聞いて自然と視線が下を向く。 「アイラ様」 「なぁに?……グレイ?」    グレイの両手で両耳を塞がれて音が聞こえなくなる。せっかく中庭にいるのに、素敵なお花たちが植えられているのに、私の視界にはグレイしかいなかった。しばらくして、耳を塞いでいたグレイの手が頬に添えられた。 「どうしたの?」 「デートは、私たちだけの物ですので。アイラ様は私の声だけ聞いてください」  きっとグレイは使用人たちの会話が聞こえないようにしてくれたのだろう。 「……ありがとう」 「いえ……それともう一つ。アイラ様は私のことだけ考えていればいいですからね」  初めて部屋の外でするキスに私は、言われなくてもグレイのことしか考えていられなかった。
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