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「知浩さん!?」
「ごめんなさい。まさかこんなところまで来てくれると思ってなくて……。どうぞ、中へ」
そう言いながら気まずそうに、知浩さんはそっと玄関の扉を開けてくれた。初対面のはずなのに、顔写真は交換していなかったのに、そんなことが気にならないくらい私達は普通に目を合わせて会話した。まるでもともとの顔見知りかのように。
「生きててくれてよかったー!」
「あんなメールして本当にごめんなさい」
「ほんとだよ、すごく心配した! 何があったの?」
「実は、職場で大きなミスをして。といっても先輩がフォローしてくれたのもあって致命傷は避けられたんですけど……。上司にキツく言われて、自分の無力さとかダメさ加減に落ち込んで。そしたらむしょうに満さんに会いたくなって」
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