あなたに逢いたい

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 私は弱い。  こうして有名になれるなんて思ってもみなかった高校の頃、親や学校の友達に将来への思いを打ち明けてみたことがあった。 『好きなことで生きていけるほど世の中甘くないよ』 『いつか絵を描く仕事をしたい? 絶対無理だよ。現実見たら?』 『そんなことができるのは本当に恵まれた才能のある人だけ。普通に働いて普通に暮らしていくのが私達にとって一番の幸せなんだよ』 『そういう仕事の人って放浪癖ありそう』  誰一人として応援してくれなかった。それどころか、頭から否定され鼻で笑われた。偏見と価値観の押し付けをされたようで気分が悪かったけど、異物扱いされるのがこわくて、 「だよねー。ちょっと言ってみただけ」  と、笑って流した。  それ以来、人前で夢のことは話さなくなった。
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