痛い雨、会いたい

回文です。
濁点等はご勘弁願います。

→だめ。会(あ)いたい。
だめ。あの子(こ)と会(あ)いたい。

春(はる)、この桜草(さくらそう)咲(さ)く頃(ころ)ここで、キスもできずうろたえたよ。

悔(く)いが痛(いた)い愛(あい)、あの子(こ)だけが最後(さいご)。
長(なが)い髪(かみ)、花(はな)の色(いろ)の肢体(したい)……

薄暮(はくぼ)の回想(かいそう)断(た)つ、遮(さえぎ)るは雨(あめ)と稲妻(いなずま)。
嫌(や)な響(ひび)く音(おと)。

ねだったキス。溶(と)けゆく夢(ゆめ)。
あの子知(こし)らぬ、眠(ねむ)れぬ伏(ふ)す毎日(まいにち)だ。

元(もと)の友(とも)に戻(もど)れ。
共(とも)に元(もと)の友達(ともだち)に、今(いま)。

ずぶ濡(ぬ)れ、胸濡(むねぬ)らしこの雨行(あめゆ)く、行(ゆ)けど……

好(す)きだったね。
遠(とお)く日々(ひび)悩(なや)ますナイトメア。
春(はる)、消(き)え去(さ)った嘘(うそ)。
以下(いか)の僕(ぼく)は……

痛(いた)し呪(のろ)いの名(な)は未開花(みかいか)な恋(こい)さ。
欠(か)けたこの愛(あい)。会(あ)いたいが幾夜(いくよ)耐(た)えたろう。
好(す)き。でも好(す)きで心(こころ)、酷(こく)さ。
嘘(うそ)、楽(らく)さ。
残(のこ)るは痛(いた)い跡(あと)。
この雨(あめ)だ。痛(いた)い雨(あめ)だ←