エピローグ

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 死した翆蘭は追贈され、妃陵に改葬された。  長い間生母の不遇さを心の中で嘆いていた赦鶯も、これで少しは報われたであろう。  反対に、称号を剥奪され庶人と落ち、冷宮送りとなったのは凜妃だ。  凜妃は罪を認め、すべて自分でやったことだと白状した。氷太妃はいっさい無関係だとも。  罪人となった凜妃は、死ぬまで幽閉の身となるであろう。  その氷太妃も精神の病ということで、再び自身の宮殿に引きこもってしまった。  間違いなく両親を殺すよう命じていたのは氷太妃だ。だが、気が触れ、口がきけなくなった氷太妃から真実を引き出すのは難しくなった。  蓮花にとって、本当の復讐の相手は、氷太妃だったのかもしれない。  彼女に罪を償わせることができないのは心残りではあるが。 「それにしても、まさか凜妃の悪事を暴くためだったなんてね。完璧に騙されたし、あんたも一見朴訥としているように見えて、なかなかやるわね」 「そう言うな。敵を欺くにはなんとやらというだろう」  しれっとした口調で言う一颯に、蓮花は呆れたように肩をすくめる。
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