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「あんたの口からそれを聞くと、よけい腹が立つかも。ほんと信用ならないわよね」
「そういうおまえこそ、僕は笙鈴さまを保護するために陛下に命じられ白蓮の村まで行ったのに、おまえに疑われた。傷ついたぞ」
「それは、悪いと思ってるわよ……だけど、はっきり説明しないあんたも……」
そこへ、まあまあと赦鶯陛下が二人の間に割って入ってきた。
「とはいえ、おまえのおかげで後宮の膿を出せた。感謝する。おまえに褒美をやらなければならないな」
赦鶯から褒美と聞き、蓮花は瞳を輝かせた。
大変な思いをしたのだから、たくさん銀子を期待してもいいはず。
それを元手に、家に戻って商売を始めるのもいい。
薬草を育てて売る仕事を本格的に始めてみようか。
これからの時代、女だって強く逞しく生きていかなければならない。
「そうだな、おまえを貴妃に昇格させよう」
「けっこうです」
即答であった。
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