エピローグ

4/6
前へ
/300ページ
次へ
 貴妃といえば、あの景貴妃と同じ立場となる。実質上、皇后に次ぐ位だ。  何を考えているのだろうか。 「それだけは勘弁して、ようやく後宮を出られて喜んでるんだから」  皇帝の妃となってしまえば、二度と後宮から出ることもできず、後宮という鳥かごの中で一生暮らしていかなければならない。  後宮を出る時、それは死ぬ時。  そこで一つ疑問が。  赦鶯の妃、答応となった蓮花が、一颯の自害を止めるため宮廷の外に出られたのは何故か。  結局、蓮花は正式に答応となったわけではなかった。  赦鶯が答応にすると言っただけで、実際、冊封の儀式すら行っていない。  つまり、正式な妃となっていなかった。  皇帝の手がついたと周りは言っているが、そんな艶っぽい関係はまったくないのだから。  蓮花はまだ、皇后の侍女のままであったというわけである。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

414人が本棚に入れています
本棚に追加