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「本当におかしな娘だ。妃にしてやると言って、嫌がるのはおまえくらいだ」
「そういうの全然興味ないから。ついでにあんたのことも」
相変わらず、周りに人がいない時は陛下のことをあんた呼ばわりだが、赦鶯はまったく気にする素振りは見せない。
むしろ、砕けた態度で接する蓮花を気に入り、しつこく後宮に引き止めようとしていた。
ようやく得た自由だ。
後宮なんて誰が戻るか。
今回のことで思っていた以上の報酬をもらえた。
ここは奮起して銀子を元手に、村で薬屋を開こうと決めた。そして、地道に働きながら、いい人に巡り会えたらいいな、なんて思ってる。
「あたしは好きな人とささやかだけど、幸せな家庭を築くのが夢だから」
皇帝の妃になんてなったら、ささやかな幸せなんて望めない。
そうそう、華雪にも報償の一部を与え、郷里に帰るようすすめた。けれど結局、後宮に残り皇后に仕えることになった。
もし、蓮花が後宮に戻ることになったら、また仕えたいと言った。
いやいや、二度とこんなところに戻るつもりはないから!
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