幼馴染の定義

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たまたま坂崎君と幼馴染だってだけでしょ。 もう何回言われたか分からない台詞が教室の中から聞こえて、舞子はその場をそっと離れた。 坂崎匠(さかざきたくみ) 舞子の幼馴染。 たまたま家が隣 たまたまお互いの母親が同級生 たまたま同じ年に産まれた。 そう度重なる偶然の産物により、小岩井舞子(こいわいまいこ)と坂崎匠は幼馴染なのだ。 小さな頃はよく転んでは泣いていた匠も、今じゃ180㎝以上も無駄に身長伸びてバスケの部長なんてしている。 いったい何頭身あるんだい?と聞きたくなるほどに顔は小さく、スポーツ特有の筋肉質の体系はもうモデルやったら?と言いたくなるくらいだ。 母親譲りの美しい顔つきは、誰もが認めるイケメンて奴で、昔から見慣れてる舞子でさえ、えげつない美しさの顔面だな。と思うくらいだ。 もう眩しいのなんの。 加えて、頭も悪くないときたもんだから学園一のモテ男の完成である。 今時、漫画でもなかなかいないよね。 そんな事をツラツラ思いつつ、先程の台詞が頭にこだまする。 たまたま坂崎君と幼馴染だってだけでしょ。
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