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コーヒーを飲みつつ、朝食のパンを噛っているとLIMEの通知音が鳴った。
【おはよう、今日の迎えは頼んだわよ~!】
その画面を見て思わず笑みがこぼれる。
彼……いや彼女?の名前は南条菫。いわゆるオネェというやつで私の高校時代からの友人だ。
そして私をホストクラブに誘った張本人。
菫は南すみれ名義で大学在学中にデビューした超人気小説家だ。デビュー作の『夜の隙間から』は実写映画化もされている。ホストクラブに行ったのも取材の一環だった。
そして今はフランス、パリに住んでいて今日一時帰国する。私の仕事が終わったら空港まで迎えに行く予定だ。
私が悠成にハマらなかったのは菫の存在も大きい……だって菫以上に綺麗な人を私は知らない。それに菫がいなかったら今の私は存在してない。
【迎えは任せとけ】
LIMEに返信し、コーヒーを飲み終えた。
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