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「声？本当に？」
「嘘ついてどうすんのよ」
「そんな事、初めて言われた。あと、良い名前っていうのも」
「へー」
南条君は頬杖をついてそっぽを向いた。
「ありがとう、南条君」
「……菫」
「？」
「名字で呼ばれるのは好きじゃないの。私も司って呼ぶから菫って呼んで」
「分かった」
「司、いつも一人でいるわよね。友達いないの？」
「うん」
聞きづらい事をストレートに聞くな。中学高校って集団生活してないと悪目立ちするんだよね。
それに生徒全員の顔と名前を知ってるくらいだ、私がいつも一人なのを知ってて当然か。
「どうして？一人が好きなの？」
「いや、中学の時に友達の好きな人を取ったって勘違いからクラスの女子に完全無視されて。それから一人で良いやってなった」
幸い、隣のクラスの親友は普通に喋ってくれてたから大分救われた。
「へぇ。じゃあ私と友達になりましょ」
「今の話を聞いてそうはならない」
「？一人が好きなわけじゃないんでしょ」
「でも、私と居たらあんまり良くない噂されるかも。それに南条君は友達いっぱいいるし」
わざわざ私と関わる必要ない。
「だから？」
「え」
「私は自分の付き合いたい人間は自分で選ぶわ。周りに何を言われようと関係ない。それに次また南条君て呼んだらデコピンよ！」
「……デコピンはちょっと」
南条君はすごくキラキラしてる人だ。まぶしいくらい。
「それにそもそも雰囲気が辛気臭くて野暮ったい！素材は悪くないのに！」
「私はブス寄りの普通だよ」
自覚はある。見れない程のブスじゃないけど別段可愛くもない。
「はあ！？女子高生が自分の事可愛いって思わなかったら人生でいつ思うのよ！？」
「一生思わないんじゃない」
「可愛いは努力で成り立ってるの！何もしてないのに自分を卑下するのは許さないわ！」
「南条君は元々の顔の作りが良いし」
「あっったり前よ！それに加えて毎日のスキンケア、ストレッチは欠かさないわ！後私は菫よ、菫！」
「……」
どんな風に育てられたらこんなに自己肯定感強めになるんだろうか。
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