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車を走らせる事約一時間。
自宅のアパートに到着すると郵便受けにハガキ?が差し込まれているのに気付く。
「?」
出ていく時は絶対なかった。
それに郵便局の配達の時間はとっくに過ぎてる。
「どうしたのよ?請求書?」
「いや、なんだろ」
ピッと抜き取って確認する。
「は、」
【誕生日に迎えに行きます】
それはハガキではなくその手書きの一文と共に綺麗な月が印刷されたメッセージカードだった。
差出人の名前や住所は一切ない。
「「……」」
思わず菫と顔を見合わせる。
「何よそれ。あんたまさかストーカーでもされてるの?」
「いや全く」
思い当たる節はない。
「そうよね、昔から男っ気ないもの」
「うんうん……って、菫をカウントしたらゼロでもないんじゃない?」
帰国する度うちに泊まりに来てるし、見た目は綺麗な男の人だ。
「何言ってるの、私は乙女よ!」
「乙女?どこ?」
「目の前!ほんと司の目は節穴なんだから!失礼しちゃうわ!」
「まあ茶番はこれ位にして、地味にホラーなんだけど」
誕生日に迎えに行くって……再来月の十二月二十四日、クリスマスイブだ。
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