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「迎えに来てくれるような人に心当たりもないし、イタズラ?」
「……」
菫はヒョイ、と私の手からメッセージカードを取ってじっと見つめる。
「イタズラでわざわざこんな事するかしら。だったら殺人予告される方が納得よ」
「確かに」
迎えに行く、だとイマイチ意図が読み取れない。何の為に?どうして私を迎えに来るのか?
「筆跡もクセのない綺麗な字ね。これじゃ男か女か私のような乙女かも判別出来ないわ」
「だーから乙女はどこにいるの。まあ気にしても仕方ないよ」
「でも、この月のマークどこかで見たような気がするのよね」
「え」
私には何の変哲もないありふれた月にしか見えないけど、菫の記憶力は馬鹿に出来ない。
「どこかって、どこ?」
「うーん……思い出せないわ。思い出せないって事は大したことないと思うんだけど」
「いいよ、いいよ。多分イタズラか出し間違いだよ」
これ以上考えても何も答えは出ない。実害もないしちょっと怖いけど気にしない事にする。
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